本会は「100年先を考えて、森をデザインする」をビジョンに、絶滅危惧種に指定されているヤクタネゴヨウマツ、木性シダ類のヘゴ(ヘゴ科全般は、ワシントン条約付属書IIに掲載)等が自生する鹿児島県の離島「種子島」の里山を活動拠点としています。
特に、ヤクタネゴヨウマツの採種、育苗、植林を通じた「種・遺伝子」の保全により、里山(森)の豊かな土壌を育み、その土壌が川を通じて海へ流れることで豊かな海を育む「生態系全体の多様性」復活を目指しています。これにより、かつて自然と共生していた人の暮らしを現代に蘇らせることを使命に、以下4つを活動指針としています。
(1)ネイチャーポジティブ
(2)グリーンツーリズム等のワイズユース
(3)自然恵沢の享受による人間との共生
(4)次世代のための環境教育、自然回復事業
そのため、本会が目指すのは、多様な生物相を保全・取り戻すために「100年先を考えて、森をデザイン」すること。具体的には豊かな森を作るためにヤクタネゴヨウマツ植林活動、日当たりを良くするための下草払いや倒木等のメンテナンスを行い、かつて里山と人間が共存し、豊かな生態系が保たれていた山の状態へ戻してゆきます。
それと同時に、豊かな森(里山)を育むことで豊かな土壌を育み、豊かな土壌が川伝いに海へ流れ、豊かな海を育むよう、「国上大田地域一体」のネイチャーポジティブを目指して活動しております。
かつて、日本全国に点在していた「ヤクタネゴヨウマツ」。過度の木材伐採など、人間活動によって個体数が減少し、現在世界中で種子島・屋久島のみに存在しています。
私たちはこのヤクタネゴヨウマツに焦点をあて、その採種や育苗、植樹活動を通じて「種」「遺伝子」の多様性を守ってゆきます。また同時に、ヤクタネゴヨウマツが生息できる森の環境を保全することで、里山の生態系回復に取り組んでいます。
古来より、豊かな里山では食料や資材、燃料が調達でき、里山の河口には藻場が形成されることで魚介類が収穫できるなど、里山の管理により自然の恩恵を受け、人間の生活は豊かになってきました。
近代化により失われてしまった、自然の恵みを享受した生活・生業を営む「里山と人間の共存」を目指しています。
私たちの活動拠点である西之表市国上大田地域の里山には、ヤクタネゴヨウマツや40種類のシダ類植物、その他276種の植物が自生しています。この里山の保全管理は代々、静岡からの移住者一族が地域住民とともに行なってきました。しかし、彼らの高齢化・後継者不足により、保全管理の継続が困難となったため、本会への委託により継続しています。現在、合計17名(会員9名、ボランティア8名)により運営しています。
(1)ヤクタネゴヨウの「育苗」「採種」「植樹活動」
(2)里山の間伐、下草払い等「森のメンテナンス」
(3)病害木の伐倒・除去による「松枯病対策」
(4)地域・行政と連携した「国上大田へご自生群落運営協議会」での活動
(5)地元の小学生・高校生、本会会員を対象とした森林・林業学習会
(6)グリーンツーリズムの開催
松枯病対策として、マツが多い「わかさ公園」、ヤクタネゴヨウマツ自生地「大野林道」など、
年間約400本の松枯木を伐倒除去する作業を実施しています。
1回の作業参加者は約3〜9名であり、さらに幅広い年齢層からの参加と受け入れ体制の整備、
及びチェーンソーなど機材調達と作業安全講習会の開催が必要であります。
2024年10月、地域・民間・行政が一体となって里山保全を推進する「国上大田へご自生群落運営協議会」が設立されました。
会員構成:山主の筧一族、国上地域 校区長、国上地域寺之門集落長、種子島観光協会、
西之表市経済観光課・地域支援課・社会教育課文化財係、種子島伊関農泊推進協議会、当会など。
島外の高校生や観光客を対象とした「ワイズユースによるグリーンツーリズム」の開催や、
旅行会社と提携したツアーを年間4〜5回実施しています(合計約450名)。
当会の専門的なガイド3名がご来島の方々へ
里山保全や自然との共生、種子島の歴史と文化についてご案内しております。
合計約3時間の勉強会。前半は「屋久島森林管理署」、
後半は「ヤクタネゴヨウ保全の会」が担当し、
森林教育活動を実施。
枯松病の原因である「マツノザイセンチュウ」が寄生した
マツノマダラカミキリムシの幼虫。
成虫となり、松から飛び立つ前に対処が必要。
「紙じゃなく、頭の中に書き残してください。」
ヤクタネゴヨウ保全の会 小山田一郎が熱く講演。
西之表市 国上大田ヘゴ自生群落運営協議会主催で
へご自生群落 林道の清掃作業を実施。
林道に落ちている大量の杉の葉を
ブロワーと熊手でかき集め、トラックに乗せて処分。
この地域に自生するへごや希少種を守るため、
雑木を払って日当たりをよくし、杉に絡みついたツタを除去。
一般社団法人ヤクタネゴヨウ保全の会 2025年始動。
あっぽ~らんどにてヤクタネゴヨウ採種園 整備活動。
枯れ松伐倒除去、下草刈りやツル、日陰対策、
松ぼっくりから種子採種し、苗木育成と植樹活動を実施。
種子島はかつて、「松の島」と呼ばれていた。
松は防潮、防風、防砂(海岸に強い)のため、
薪は火力が最も高いので、製鉄や焼物作りのため、
また漢方薬(茯苓)や墨の原料として使用されていた。
昔の偉大な種子島を未来につないでいく。
(1)九州森林管理局HP ヤクタネゴヨウと保護管理の取り組み
(2)J-stage 論文 種子島木成国有林におけるマツ材線虫病で枯死したヤクタネゴヨウの伐倒駆除
(3)CiNii 論文 種子島木成国有林におけるマツ材線虫病で枯死したヤクタネゴヨウの伐倒駆除
(4)論文 屋久島の森林生態系と絶滅危惧種ヤクタネゴヨウの保全
【外部リンク】
https://www.nippon-soda.co.jp/nougyo/wp-content/uploads/2023/03/001_030.pdf
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 九州支所 森林生態系研究グループ 金谷 整一
屋久島・ヤクタネゴヨウ調査隊 手塚 賢至
(5)Agriknowledge 論文 絶滅危惧種ヤクタネゴヨウの保全と利用
団体名 | 一般社団法人ヤクタネゴヨウ保全の会 |
---|---|
代表者役名・氏名 | 代表理事 山本 伸司 |
設立年月日 | 2016年7月25日法人化 以前の活動団体設立(未法人)2002年1月20日 |
団体の構成と員数 | 理事6名、監事2名、会員12名 |
連絡先 | 代表理事 山本 伸司 〒891-3221 鹿児島県西之表市伊関1115番地 Tel: 090-1437-6700 Email: yamamoto.nobu2@gmail.com |
設立目的 | 当法人は、絶滅危惧種に指定されているヤクタネゴヨウに対し、 保全活動に関する事業を行い、種子島の自然保護活動、啓蒙活動に寄与することを目的とする。 (1)ヤクタネゴヨウの調査、保全に関する活動 (2)ヤクタネゴヨウ及び松などに関する歴史及び文化などの価値の普及活動 (3)学校教育への寄与及び社会教育の推進を図る事業 (4)技術指導(営林・伐採・栽培・加工技術・品質・衛生管理等)に関する事業 (5)環境保全活動の普及並びに観光及び交流などの地域活性化事業 (6)公共事業事務代行に関する事業 (7)その他、前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業 |
見出し | ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。テキストは「右寄せ」「中央寄せ」「左寄せ」といった整列方向、「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」、「文字サイズ」「文字色」「文字の背景色」など細かく編集することができます。 |